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1.セクハラとは?
セクシュアル・ハラスメント(セクハラ)という言葉を当たり前に聞くようになって随分とたちます。
では「セクハラとはどういうものなのか?」とたずねられと、はっきり答えられるでしょうか?言葉自体が普及していても、どういうものなのかをしっかり認識していないと、思わぬ誤解が生じたり、自分を不利な状態に追い込むことにもなりかねません。
実は、セクハラの概念は非常に広く、何をもってセクハラとするのかも学者や実務家の間でさまざまな意見があります。
「職場のみであるか、ないか」「女性のみに該当するのか、性別にかかわらず該当するのか」「職場や学校などの公的関係のみか、親子兄弟関係などの私的関係も含めるのか」など色々な分け方が存在します。
どのような考えがあるのか、順を追ってのべていきます。
@相手の望まない性的言動全般
言葉通りです。全ての環境、性別、人間関係において相手が望まなければセクハラに該当します。
たとえば親子関係などでもセクハラが成り立つというものです。
※親子兄弟等の私的関係による性的言動は、セクハラよりも「性的虐待」と認識される場合が多いと思います。
A権力関係を利用する、相手の望まない性的言動
職場や学校、刑務所など権力関係が存在し、それを利用して行われる性的言動です。
B雇用関係を利用する、相手の望まない性的言動
職場における上司と部下の関係などを利用して行われる性的言動です。性別は問いません。参考となるものに人事院規則10-10があります。
1998年11月人事院規則10-10
第2条
この規則において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
1.セクシュアル・ハラスメント
他の者を不快にさせる職場における性的な言動及び職員が他の職員を不快にさせる職場外における性的な言動
C雇用関係を利用する、女性の望まない性的言動
これがもっとも一般的に「セクハラ」と認識されているものだと思います。職場における上司と部下、同僚などの関係を利用して行われる性的言動です。
現在は、セクハラに男女の区別はありません。しかし、被害者は圧倒的に女性が多いのが現実です。
2.セクハラの分類
セクハラは通常大きく2つに分類されます。
@環境型セクシュアル・ハラスメント
労働者が性的に不快な就業環境におかれていること。
A対価型セクシュアル・ハラスメント
労働者が上司などに性的関係を求められ、それを拒否したことの報復として不利な就業環境におかれること。
※この「環境型」「対価型」という分類は、元々アメリカで確立されたものです。
3.職場の概念
セクハラの行われる職場の概念とはどのようなものでしょうか?
職場というと、オフィスや工場など通常労働する場所を思い浮かべることが多いと思いますが、セクハラの行われる「職場」とはそれだけではありません。以下のような、労働者が業務を遂行する場所も職場と認識されます。
・出張先
・取引先
・商談、接待などの会食の席
・忘年会や社員旅行など社内行事で使われる場所
・就業時間外であって(アフターファイブなど)、仕事の延長ととらえられるものを行う場所
これらの場所で行われる相手の望まない性的言動は当然セクハラ行為となります。
4.セクハラの具体的形態
具体的にどのようなものがセクハラと認識されるのかをあげてみます。
・性に関する下品な冗談
・ヌード写真等の掲示
・性生活や経験についての質問
・「うちの子」「女の子」「男の子」等性差別発言
・容姿、年齢、婚姻歴などで差別する
・食事やデートにしつこく誘う
・接待や宴会でお酌させたり、カラオケのデュエットを強要する
・異性関係などの性的な噂を意図的に流す
・スリーサイズなど身体に対する質問
・更衣室やトイレに侵入したり、のぞいたりする
・身体をじろじろ見る、長時間眺める
・身体にさわる
・性的関係の要求
・性的関係の強要(強姦、強制わいせつ)
※なお加害者には、経営者、上司、同僚など同じ職場の人間だけではなく、得意先の社員、顧客なども含まれる点に注意して下さい。
5.セクハラに対する対応
なによりも相手が素直に自分の非を認めて謝罪し、今後セクハラを行わないことを誓ってくれればそれが一番の解決だと思います。被害者が心から納得できる謝罪があれば、それ以上争うことは被害者にとっても苦痛だと思うからです。
しかしセクハラを受けたことに対してなんらかの対応をしたいと思われる場合、どのような対応をとるのかはセクハラの度合いにもよると思いますが、以下のような対応があります。
@相手との交渉
内容証明郵便などで、相手に自分の受けた被害を知らせ、それに対しての謝罪や損害賠償などを求める方法です。できるだけ秘密に、穏便に済ませたい場合に有効です。ただし任意の交渉であるため、相手が納得すれば短期間で解決しますが、納得しない場合は解決できません。
A雇用均等室へ相談
都道府県労働局雇用均等室に相談してみるのも解決方法の1つだと思います。問題のある職場に対して行政指導を行ってくれます。ただし法的強制力はありませんし、必ずしも動いてくれるとは限りません。
B紛争調整委員会による調停
紛争調整委員会による調停を申し立てます。調停は非公開で行われるためプライバシーが保護されるなどのメリットがあります。調停委員が間に入りますので、直接相手と交渉するよりもまとまりやすいかもしれません。
ただし当事者双方の合意が必要なため、合意できないと解決できません。
C民事調停
裁判所に調停を申し立てます。調停は非公開で行われるためプライバシーが保護されるなどのメリットがあります。調停委員が間に入りますので、直接相手と交渉するよりもまとまりやすいかもしれません。調停が成立すると確定判決と同一の効果が生じます。
ただし当事者双方の合意が必要なため、合意できないと解決できません。
D民事訴訟
不法行為もしくは債務不履行に基づく損害賠償を請求する方法です。
E刑事告訴
強姦や強制わいせつなど民事上の責任追及では不十分と思われる場合に行う方法です。
以上のような対応があります。これ以外にも社内のセクハラ担当部署や労働組合に相談する方法もあります。
どのような対応をとるにしても、証拠集めはしっかりと行ってください。特に第三者が間に入る調停や裁判では、証拠集めで勝負が決まってしまう可能性もあります。
日記やメモでもりっぱな証拠になりますし、それを証明できる証人がいればなお良いでしょう。
また性的に不快な環境に置かれている場合、どのような環境であるのか写真を撮っておく、また上司や同僚の性的発言を録音しておくなどの方法も有利な証拠になります。
また万一加害者になってしまう事もあり得ます。そのような場合、当事務所にご相談下さい。
被害者の方への謝罪や対応について、ご相談をお受け致します。ただし、責任逃れ等悪質なご相談はお受け致しません。
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