<DV(ドメスティックバイオレンス)とは>
夫婦の間(元夫婦や内縁関係も含みます)や親子の間で、力の強い者が弱い者に対して、肉体的・物理的暴力だけでなく、心理的暴力、経済的暴力、性的暴力、社会的隔離、過小評価・否認・責任転嫁、男尊女卑の考えなどの精神的な暴力をふるうことを、DV(ドメスティックバイオレンス)といいます。
また最近では、恋人同士の間でも、身体的または性的な暴力を受けるなどの「デートDV」が増加しています。
DVの被害者は、心身に深い傷を負います。
しかし「恐いけれど、逃げたらもっとひどい目に遭うかも・・・」と心が追い詰められ、逃げたくても逃げられないこともあります。逃げる気力さえ失ってしまうこともあります。
初めは軽い暴力であっても、それが当たり前になり、いつしか殴る蹴るが日常的になる。
殴る蹴るの暴力を振るった後、冷静になると謝る・・・その繰り返しになります。
DVの加害者の謝罪は、本来の謝罪ではありません。被害者を支配下に置き続けるための演技です。
また、本当に謝罪していても、また同じ事が起こります。
昔のドラマに、加害者が自殺して被害が収まるというものがありましたが、私の知る限り、加害者は自分の生命に関わるような傷を自らつける事はありません(ただし、被害者の気を引くために、大したことのない傷をつける事はあります)。
今まで「私(僕)が悪いから、少しくらい殴られても仕方ない。」「人はカッとなるとつい手が出てしまうものだ。」と思っておられた方が多いことに驚いています。
まず、はっきり申し上げますが「暴力=悪いこと」なのです。
普通の人は、カッとなったくらいで手は出ません。また、人に暴力を振るうこともありません。
「愛しているから」「愛するあまり」「おまえだから」「おまえの悪いところを治しているんだ」などの発言は愛情ではありません。支配欲、征服欲に過ぎないのです。
また、暴力や暴言を受けているにもかかわらず、周囲の「別れた方が良いよ」という言葉をうるさがって、友人や家族から遠ざかってしまう人もいます。
そうしてだんだんと孤立し、いざDVの被害から逃れようとしても身動きできなくなってしまう事もあります。
DV加害者に洗脳されてしまい、何が正しくて何が間違っているのか、判断できなくなっている人もいます。
暴力、暴言、自己否認を繰り返されるうちに、抵抗する力を失っていくのです。
しかし、自分が被害者だと分かっていても、加害者と別れられない人がとてもたくさんいます。
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