<パワハラの問題>
現状で問題となっているのは、権力(実力)のある者が権力(実力)のない者に精神的苦痛を与えることが目的化(指導育成や業務上の命令などの名の下)されているために表面化しにくいことです。
表面化しにくい要因は、労働者は、会社が持っている業務命令権に従って合理的な命令である限りこの命令に従う義務があるからです。
しかし、その命令が、社会通念上相当な範囲を超えて合理的な理由のない過酷な肉体的・精神的な苦痛を伴うものであったり、懲罰や報復など不当な目的で行われたり、いわゆる「職場のいじめ」である場合には違法性を帯び、パワハラとなります。
こうしたパワハラは、加害者が自覚していない場合が多く、実際、パワハラをしている人のなかには「私は口調がきついだけで悪気はない」などと言う人がよくいます。しかし、ハラスメントは受け手(被害者)がどう感じたかが重要であるため「悪気はなかった」などと主張しても、受け手にとって嫌がらせとしてとられれば問題になります。
権力のある立場の人の言葉や態度は、使い方によっては「凶器」にもなるのです。
ちょっとした言葉が、大問題とならないように考えて行動する必要があります。
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